最低賃金の引上げ目安 労使議論が本格化

厚生労働省の中央最低賃金審議会は22日、今年度の最低賃金の目安を決める小委員会を開き、本格的な議論を開始した。参考指標として、食料品の消費者物価指数の前年比伸び率(昨年10月から今年6月まで平均6.4%)を示した。政府目標の2020年代に全国で平均1,500円を実現するには、1年当たり7.3%の引上げが必要。

2025年春闘賃上げ率最終集計 平均5.25%

連合は3日、春闘の最終集計を公表した。5,162組合分の回答全体としては、賃上げ率(ベースアップと定期昇給を合わせたもの)の平均は5.25%(前年度比0.14ポイント増)となり、2年連続で5%以上の高水準となった。一方、中小組合に限ると平均4.65%(前年度比0.2ポイント増)で、目標の「6%以上」には届かなかった。

2024年度の国民年金納付率78.6%

厚生労働省は27日、国民年金の2024年度の保険料納付率を発表した。78.6%(前年度比0.9ポイント増)と、13年連続で前年度を上回った。また、納付期限を過ぎた後払い分を含めた22年度分の最終納付率は84.5%(同1.5ポイント増)で、統計を取り始めた04年度以降、過去最高となった。24年3月から導入された口座振替の電子申請やスマホ決済アプリの利用者増などで納付率が上がったとみられる。

障害者への合理的配慮に関する相談が1年半で4,600件

内閣府が26日、障害者への「合理的配慮」に関し、国が設置した窓口に障害者や民間事業者から寄せられた相談が3月までの1年半で計4,602件あったと発表した。事業者に対し合理的配慮が義務付けられた昨年4月を境に、減少傾向にある。相談内容は、障害者は「配慮を求めたが断られた」、事業者は「具体的に何をすればいいのか」が多かった。

精神疾患での労災 6年連続過去最多に

精神疾患を発症して労災認定された人が昨年度1,055人(前年度比172人増)に上り、6年連続で過去最多を更新したと、25日、厚生労働省が公表した。原因別では「上司からのパワハラ」が最も多く(224人)、「仕事内容・仕事量の大きな変化」(119人)、「カスハラ」(108人)、「セクハラ」(105人)と続いた。中でも「カスハラ」は前年度から倍増した。

特定技能の賃上げ連携 製造業の人材管理団体設立

鉄鋼・電機・繊維など製造業の主要な30団体は、外国人労働者の受入れ拡大のため、新たな団体「一般社団法人・工業製品製造技能人材機構(JAIM)」を設立し、25日、経済産業省が特定技能外国人受入事業実施法人として登録した。傘下に入る計7,000社に対し、特定技能外国人の賃金を毎年、大企業は3%、中小企業は1.5%引き上げることを義務付け、未達が続き改善がみられない企業は除名され特定技能外国人の受入れができなくなる。

医療・介護に充てる社会保障費 物価高・賃上げ分増額へ

政府は、来年度の社会保障費の予算編成について、物価高や賃金上昇への対応分も増やす方針を、13日夕方に閣議決定を行う予定の骨太の方針に盛り込む。従来は「高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」との基準だったが、これに追加する。具体的な公定価格の引上げ等は、秋以降に議論する。